カテゴリー:映画

クリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演の映画「ハドソン川の奇跡」を見ました。

 

 

「ハドソン川の奇跡」は、2016年に製作されたアメリカ映画。原題は「Sully」。

 

2009年に起こり、奇跡的な生還劇として知られるUSエアウェイズ1549便不時着水事故を題材とした映画。

 

原題の「Sully”(サリー)」は、USエアウェイズ1549便の機長チェスリー・サレンバーガーのニックネームからとられています。

 

「ハドソン川の奇跡」を一言で表現するなら、傑作です。

 

なぜ傑作と言いたいか? その心は、壮大なアクションと微細な心理劇とがものの見事に融合されているからです。

 

アクションと心理、そのどちらをとっても素晴らしい映画は、なかなかあるものではありません。

 

もちろん、「ハドソン川の奇跡」は、よくあるエアパニックものではなく、機長であるトム・ハンクスの心理がメインテーマであることは間違いないでしょう。

 

しかし、実際に起きた事件を題材にしていること、その事件そのものが奇跡であったこと、現代文明の象徴とも言える、巨大な鳥である飛行機とともに、一人の人間の心理の葛藤を克明に描き切ったからこそ、類まれな優れた映画となったのです。

 

私個人としては、壮大なスケールは必要ではなく、室内劇であっても、人間ドラマがしっかり描出されている映画が好みです。

 

でも、この「ハドソン川の奇跡」は、ちゅうちょなく傑作として讃えたいと感じました。

カテゴリー
タグ

アメリカ映画の名作「ゴースト ニューヨークの幻」(1990年)を、Blu-rayで見直してみました。

 

ゴースト/ニューヨークの幻 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

 

DVDが普及しはじめた頃、私は歓ばなかったのです。画質が良くなったというより、映像がベタッとして、シーンの「空気感」が失われ、これならば、ざらざらとしてVHSビデオで観たほうがマシだと感じたのを鮮明に憶えています。

 

で、Blu-rayはどうかと言いますと、作品によりけりです。

 

スケールが大きい映画の場合、Blu-rayだと迫力が違うのではないかと思って「ランボー」とか「クリフハンガー」とかを、ブルーレイで鑑賞してみましたが、それほどでもありませんでした。

 

キーワードは「空気感」です。これが再現されていないかぎり、Blu-rayで見ても仕方がありません。

 

その点で、思わず鳥肌だったのが、今回ご紹介する「ゴースト ニューヨークの幻」です。

 

Blu-rayで観ますと「空気感」が違います。映像に奥行があり、映像空間の中に自分がいると錯覚してしまうほどです。

 

こういう繊細な心の動きを描いた映画は「空気感」があると、映像の純度が高まり、テーマに没入できます。

 

ラスト近く、「見えるわ」といって驚きの表情を見せるデミ・ムーア。そして、光の帯の中に浮かび上がるゴースト(パトリック・スウェイジ)。

 

このシーンの良さは、Blu-rayでないと充分に味わえないと言いたいくらいです。

 

Blu-rayがこれほど良いのならば、名作映画を、少しずつBlu-rayで見直してゆこうと決心したのでした。

カテゴリー
タグ

映画の「シェーン」「ジャイアンツ」などで有名なジョージ・スチーヴンス監督の「陽のあたる場所」を久しぶりに鑑賞しました。

 

 

「陽のあたる場所」は、1951年のアメリカの映画。監督はジョージ・スティーヴンス、出演はモンゴメリー・クリフトエリザベス・テイラーシェリー・ウィンタースなど。

 

この切なさ、胸がしめつけられる感じ、それがすべてのような映画です。感想を書くのが極めて難しい。

 

あえて書くとしたら、まずは監督・ジョージ・スチーヴンス監督の偉大さを強調したいと思います。

 

「偉大」などという言葉は軽々しく使いたくありません。しかし、この「陽のあたる場所」の演出を見ていると、批評など無意味だと感じてしまう。

 

ワンカット、ワンカットが、絶妙を極めているのです。

 

映画の素晴らしいところ、肝心要、エッセンスというものを、モノクロームの映像に凝縮させてしまっていて、この唯一無二の映像空間は、神レベルの透徹感を有している。

 

モンゴメリー・クリフトエリザベス・テイラーは、この「陽のあたる場所」において、映画史上に鮮明な印象を刻んでいます。この二人の透明感だけでも、ゾクゾクしてしまう。

 

この「陽のたる場所」は、平凡な日常の繰り返しの中で鈍化しかけた、無意識下の「あわだつもの」を、揺り起こしてくれる。眠りにつこうとしている蒼い感性を、肩を揺さぶられるように、呼び覚まされてしまうシネマです。

 

あまりにも純度が高い映画なので、生涯のうちに、見るのは3度くらいにとどめておいた方が良いかもしれません。自分の感動のボルテージを下げないために。

 

この映画の不思議な透明感、ヒリヒリする感じに浸りたいと感じているうちは、自分はまだだいじょうぶだと思うのです。

カテゴリー
タグ

世の中に名作映画と言われる映画はたくさんありますが、その中でも、名画中の名画と賞賛されるのが、この「素晴らしき哉、人生!」です。

 

原題は(It's a Wonderful Life)。1946年のアメリカ映画。監督はフランク・キャプラ

 

主演は、ヒッチコック監督の名作「裏窓」や「めまい」に出演している、ジェームズ・スチュアート

 

 

名作であることは知っているのですが、これまでに何度か見ようとして、途中で挫折してしまい、最後まで見られなかったのです。

 

かつて「禁じられた遊び」を、10回以上も挫折したという苦い経験が、私にはあります。「名作ゆえの退屈さ」が、私を苦しめる時があるのです。

 

おかげさまで、この「素晴らしき哉、人生!」は、3回目の挑戦で、しっかり、感動できました。

 

今回、最後まで鑑賞してみてわかったのですが、中盤までは会話がやたらと多くて、感情移入がしにくいところがあります。ラスト15分。天使と主人公が出逢ってから、スイッチが入ったかのように、俄然、面白くなります。

 

クリスマスの日に奇跡が起こるという設定であるため、今ではクリスマス映画の定番としてアメリカでは親しまれているそうです。

 

日本では、他のアメリカのクリスマス映画と比べて、放送された回数は少ないのではないでしょうか。おそらく、中盤までの退屈さが、ネックになっているのだと思います。

 

しかし、今回の鑑賞で、ラスト15分が最高に面白いということがわかったので、これからは、大丈夫。前半から終盤までのすべてが、ラスト15分のための伏線なのです。

 

そう思って見直すと、細部までまた違って面白さが浮き立ってきそうです。ジェームズ・スチュアートの演技を中心に、何度も楽しめるでしょうね。

 

この映画「素晴らしき哉、人生!」は、その構成からも、1回だけでなく、何度も繰り返し見て楽しむ名作映画だと言えます。

カテゴリー
タグ

映画「日本のいちばん長い日」は、1967年(昭和42年)に公開された日本映画。

 

監督は岡本喜八。主演は三船敏郎

 

 

異なるバージョンン役所広司が主演した2015年版)も存在するが、まずは、三船敏郎が主演した、この映画を見ていただきたい。

 

もちろん、映画としても傑作だが、歴史的な価値も極めて高く、文化遺産と言いたくなるほどの完成度を保持している。

 

日本という国には、こういう一日があった、そのことを私たち一人ひとりが深く体感するように知ることは意味がある。

 

岡本喜八の映画はいろいろ見てきているが、これほど大真面目に撮った作品は、他にはないのではないだろうか。

 

特筆すべきは、この映画「日本のいちばん長い日」には、女性がほとんで出てこない。表っとすると、一人も出演していないのではないかと思ったが、新珠美千代がほんの一瞬出ていた。

 

この「日本のいちばん長い日」について、最後に付言するなら、エンディングの音楽も良い。独立した楽曲として聴きたいくらいである。

 

それにしても、岡本喜八の映画監督としての技量は、すさまじいものがある。

 

他の作品には、遊び心もあり、映像センスは抜群であり、日本人には珍しいユーモアも魅力だ。

 

ここで、岡本喜八監督に敬意を表し、岡本喜八の監督した映画をすべてあげておこう。

 

岡本喜八 監督映画

 

結婚のすべて(1958年)

若い娘たち(1958年)

暗黒街の顔役(1959年)

ある日わたしは(1959年)

独立愚連隊(1959年)

暗黒街の対決(1960年)

大学の山賊たち(1960年)

独立愚連隊西へ(1960年)

暗黒街の弾痕(1961年)

顔役暁に死す(1961年)

地獄の饗宴(1961年)

どぶ鼠作戦(1962年)

月給泥棒(1962年)

戦国野郎(1963年)

江分利満氏の優雅な生活(1963年)

ああ爆弾(1964年)

侍(1965年)

血と砂(1965年)

大菩薩峠(1966年)

殺人狂時代(1967年)

日本のいちばん長い日(1967年)

斬る(1968年)

肉弾(1968年)

赤毛(1969年)

座頭市と用心棒(1970年)

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年)
にっぽん三銃士 おさらば東京の巻(1972年)

にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻(1973年)
青葉繁れる(1974年)
吶喊(とっかん)(1975年)
姿三四郎(1977年)
ダイナマイトどんどん(1978年)
ブルークリスマス(1978年)
英霊たちの応援歌 最後の早慶戦(1979年)

近頃なぜかチャールストン(1981年)

ジャズ大名(1986年)

大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年)

EAST MEETS WEST(1995年)

助太刀屋助六(2002年)

 

正直、うれしい。まだ見ていない映画があるからだ。他の監督作品はほとんど見終わっているので、楽しみがない。

 

だが、岡本喜八監督の映画は未見がけっこうある。本当に楽しみだ。

カテゴリー
タグ

外国映画のベスト100を、以下、気長に選んでまいります。

 

1)ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「若者のすべて」の感想

 

2)映画「邪魔者は殺せ」を見て、キャロル・リードはヒッチコックと正反対の監督だと感じた。

 

3)映画「ガス燈」でイングリッド・バーグマンが迫真の演技を披露。

 

4)「マディソン郡の橋」の小説と映画を比較レビューしてみました。

 

5)映画「愛情物語」は尊いギフト(贈り物)だと感じました。

 

6)映画「その男を逃すな」では、シェリー・ウィンタースの名演技に引き込まれた。

 

7)映画「第七のヴェール」は観終わった時、思わず拍手してしまう名作

 

8)映画「最後の初恋」でのダイアン・レインの演技は筆舌に尽くせない微妙な味わいがある。

 

9)映画「目撃」。クリント・イーストウッド監督・主演。

 

10)映画「天使のくれた時間」を再び鑑賞した感想。

 

11)映画「愛しのシバよ帰れ」は心理劇の傑作。シャリー・ブースの演技は圧巻。

 

12)映画「ミニヴァー夫人」は「戦意高揚映画」ではなく、心温まるホームドラマである。

 

13)映画「終着駅」はジェニファー・ジョーンズとモンゴメリー・クリフトの二人芝居。

 

14)映画「ジェニーの肖像」と原作のロバート・ネイサンの小説

 

15)ジェームズ・スチュアート主演の映画「素晴らしき哉、人生!」をようやく最後まで見た感想

 

16)ディアナ・ダービン主演の映画「オーケストラの少女」は、現代から見たら奇跡そのものです。

 

17)「クリフハンガー」はスタローン映画の頂点の一つ。

 

18)映画「デイライト」はスタローンの最高傑作?

 

19)「我等の生涯の最良の年」は、ウィリアム・ワイラー監督の最高傑作。

 

20)ディアナ・ダービン主演の映画「オーケストラの少女」は、現代から見たら奇跡そのものです。

 

21)映画「最強のふたり」と「人生の動かし方」の比較

 

22)「コンバット!」は不滅の名作ドラマ。愛あふれる脚本は珠玉。

 

23)ハリソン・フォード主演の映画「心の旅」を見た感想。

 

24)映画「ハドソン川の奇跡」を見た感想

 

25)映画「黄昏」はジェニファー・ジョーンズの鮮明な存在感と演技力が圧巻。

 

26)映画「霧の波止場」の見どころは、ジャン・ギャバンとミシェル・モルガンだけではありません。

 

27)映画「愛を読む人」を見て「朗読者」を即購入した理由。

 

28)映画「イエロー・ハンカチーフ」は「幸福の黄色いハンカチ」とどのように比較すべき?

 

29)映画「水の中のナイフ」はロマン・ポランスキーの佳作。見る価値あり。

 

30)映画「ゴースト ニューヨークの幻」はBlu-rayで

 

31)映画「ミリオンダラー・ベイビー」の感想

 

32)スタンリー・キューブリックの映画「シャイニング」を見た感想。

 

33)映画「陽のあたる場所」の不思議な透明感

カテゴリー
タグ