「正直の頭に神宿る」は「しょうじきのこうべにかみやどる」と読みます。ことわざですが、使う人は少ないのではないでしょうか。
私自身も最近になって知りました。テレビドラマ「白い巨塔」(田宮二郎が主演したバージョン)の中で出てきたのです。
良い言葉だと直感したので、ご紹介することにしました。
「正直な人には、必ず神のご加護がある」という意味。
似た言葉としては「Honesty is the best policy.(正直は最善の策)」があり、この方がしばしば使われますよね。
その他の類似表現には、以下のような言葉があります。
「正直の頭に神宿る」の類似表現
神は正直の頭に宿る。
正直は一生の宝。
正直は最善の策。
正直者に神宿る。
「白い巨塔」は、どす黒い人権謀術策がうずまく欲望の世界が描かれているので、その中で使われた「正直の頭に神宿る」という言葉が実に鮮明に浮かび上がったのでした。
他の類似表現よりも、「正直の頭に神宿る」がふだん使われないだけに、また「頭」という言葉に、重さが感じられ、もっとも敬虔で純粋な表現であると言えるのではないでしょうか。
ドストエフスイーの「白痴」に出てくるムイシュキン侯爵、「カラマーゾフの兄弟」に出てくるアリョーシャは、まさに正直者の典型として描かれています。
純粋無垢な人の魂は、全人類の憧れかもしれませんね。