映画の「シェーン」「ジャイアンツ」などで有名なジョージ・スチーヴンス監督の「陽のあたる場所」を久しぶりに鑑賞しました。
「陽のあたる場所」は、1951年のアメリカの映画。監督はジョージ・スティーヴンス、出演はモンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラー、シェリー・ウィンタースなど。
この切なさ、胸がしめつけられる感じ、それがすべてのような映画です。感想を書くのが極めて難しい。
あえて書くとしたら、まずは監督・ジョージ・スチーヴンス監督の偉大さを強調したいと思います。
「偉大」などという言葉は軽々しく使いたくありません。しかし、この「陽のあたる場所」の演出を見ていると、批評など無意味だと感じてしまう。
ワンカット、ワンカットが、絶妙を極めているのです。
映画の素晴らしいところ、肝心要、エッセンスというものを、モノクロームの映像に凝縮させてしまっていて、この唯一無二の映像空間は、神レベルの透徹感を有している。
モンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラーは、この「陽のあたる場所」において、映画史上に鮮明な印象を刻んでいます。この二人の透明感だけでも、ゾクゾクしてしまう。
この「陽のたる場所」は、平凡な日常の繰り返しの中で鈍化しかけた、無意識下の「あわだつもの」を、揺り起こしてくれる。眠りにつこうとしている蒼い感性を、肩を揺さぶられるように、呼び覚まされてしまうシネマです。
あまりにも純度が高い映画なので、生涯のうちに、見るのは3度くらいにとどめておいた方が良いかもしれません。自分の感動のボルテージを下げないために。
この映画の不思議な透明感、ヒリヒリする感じに浸りたいと感じているうちは、自分はまだだいじょうぶだと思うのです。